NFTのビジネスモデル例5選|企業が続々と参入する理由とは
NFT初心者向け公開日 : 2022年02月09日 | [更新日] 2022年05月01日
今、さまざまな分野でNFTをビジネスに活用しようという動きが活発化しています。
新しいサービスも次々と登場し、ビジネスチャンスとばかりに参入する企業も増えました。
その一方で、「なぜ、NFTがビジネスに活用できるのか」「NFTのビジネスモデルとは何か」と疑問に思っている人もいるでしょう。
本記事では、NFTの基礎知識から実際のNFTを用いたビジネスモデルまで詳しく解説します。
- NFTとは、「非代替性トークン」の略語
- NFT市場にはすでに多くの企業が参入している
- NFTのビジネスモデル例は今後も増え続けると予想
- NFTはビジネスチャンスも豊富である
- NFTを利用したビジネスは個人でも始められる
目次
NFTビジネスとは
NFTとは、「Non-Fungible Token」の頭文字を取った略語です。
日本語に直すと「非代替性トークン」となります。
NFT自体に価値があるわけではありません。価値が出るのはNFTを付与した電子データです。NFTが付与された電子データは「唯一無二のもの」と証明されます。
電子データはイラスト・映像・文章と多岐にわたりますが、「複製が容易」という点から今までは価値が出にくいものでした。
しかし、NFTが付与された電子データは所有者の記録が残ります。複製や修正がされた場合も修正した記録が残るため、「唯一無二性」が証明できます。
複製を行ってもオリジナルとの差異が誰の目にも明らかになり、区別がつくのため、電子データに価値が生まれるのです。
また、NFTが付与された電子データを所有することは「唯一無二のものを持っている」ことになり、所有欲が満たされます。
NFTについてさらに詳しく知りたい場合は、「NFTとは?わかりやすく仕組みや特徴、作成・購入・販売方法を解説」の記事をご覧ください。
NFTがビジネスに取り入れられている理由
代替できない
NFTは日本語で、「非代替性トークン」で、NFTを付与したデータは「他では代替できない唯一無二のもの」です。
現在は、イラスト・映像・音楽などを電子データとして配信する人もたくさんおり、高い人気が出るものもあります。
電子データにNFTを付与することで、高い価値を付けることが可能です。
将来的に電子データが、誰もが知っていて高い価値を持つ美術品のような、価値をもつことになるかもしれません。
また、電子データを所有することにも価値が生まれます。
つまり、NFTを付与した電子データを価値が低い時に所有しておき、値段が上がったら売却するというビジネスや、NFTを付与した電子データの限定生産品の販売といったビジネスも成り立つでしょう。
ジャンルを問わない
電子データには多数のジャンルがあり、今後増えていく可能性もあります。また、電子データを扱うのに特別な資格は現在必要ありません。
どのようなジャンルの会社もNFTを取り扱うことが可能です。
それに加え、NFTは可能性を秘めているため、今まで「電子データ」に無関心であった企業も強い興味を示しています。
その結果、さまざまなビジネスモデルが登場しています。
NFTのビジネスモデル例
実際にNFTにはどんなビジネスモデルがあるのでしょうか。
NFTのビジネスモデルを例にして、自身のビジネスに役立つ情報を紹介します。
2022年2月現在、NFTのビジネスモデル例は以下5つです。
- マーケットプレイス
- アート
- GameFi(ゲームファイ)
- スポーツ
- 音楽
実際にどのようにNFTと組み合わされているのか紹介をします。
①マーケットプレイス
マーケットプレイスとは、NFTを取り扱う「市場」のことで、NFTを購入したい人と販売したい人を仲介し、手数料を取り利益を得ています。
NFTの売買は個人間でも可能ですが、値段交渉や支払い方法などクリアすべき課題がたくさんあります。
マーケットプレイスは、これらをスムーズに行える場を整え市場を活性化させる役割を担っています。
Amazonや楽天といったWebサイトのNFT版と考えればイメージしやすいでしょう。
マーケットプレイスは最も有名なOpenSeaをはじめとして、複数の種類があります。
今は海外で作られたマーケットプレイスが主流ですが、この先日本で作られたマーケットプレイスが主流となっていく可能性もあるでしょう。
NFTマーケットプレイスの種類についてもっと詳しく知りたい人は、「【保存版】NFTマーケットプレイスとは?国内・海外のおすすめ14選を比較」の記事をご覧ください。
②アート
デジタルアートは、今やキャンパスに描くアートと同様に表現の主流の1つとなっています。
デジタルの特性を活かして肉筆では描けないアートを作る人もおり、世界各国で高い評価を得ています。
デジタルアートのメリットは無料で世界中に公開が可能なことです。
アーティストとして実績がなくても、発表したアートに高く評価されることもあるでしょう。
そんな自分で描いたアートをNFTを付与して売ったり、NFTが付与されたアートを購入して値段が上がった頃を見計らって売却したりすれば、ビジネスになります。
③GameFi(ゲームファイ)
ゲームのアイテムが現実のお金で売買されることは、今までも行われていました。
しかし、それは違法であり発覚するとアカウント停止などの罰則が科せられることもあります。
NFTを付与したゲームアイテムならば仮想通貨で堂々と取引が可能です。
現在は、アイテムやキャラクター、さらにゲーム内の土地も売買されることを前提としたゲームも作られています。
人気のゲームのレアアイテムやレアキャラクター、土地などを購入し高値になったところで売却するビジネスモデルも成立しています。
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関連記事:仮想空間ゲームが土地販売だけで約1.7億円の売り上げをあげる
④スポーツ
スポーツは試合を観覧するだけでなく、カードやグッズを集めたり名勝負のDVDを購入したりといった楽しみ方ができます。
NBAが選手のNFTカードを販売して話題にもなっています。
紙製のカードは選手の写真とデータが記載されていますが、NFTカードは選手が活躍した試合の映像まで見ることができるので、大人気になりました。
現在も取引額は増え続けています。
近い将来、スポーツ選手のカードはNFTカードが主流になる可能性もあるでしょう。
関連記事:スペインのトップサッカーリーグが、すべてのプレイヤーのNFTフットボールカードの提供開始
⑤音楽
現在、音楽はCDから配信へ流通の主流が入れ替わりつつあります。
NFTを利用すれば、レコード会社などを通さなくてもコピーを気にせずに配信が可能になります。
また、音楽にライブ映像など付加価値を付けて販売することも可能です。
YouTubeなど誰もが動画をアップできるサイトを経由して、デビューするアーティストが増えている今、NFTで音楽を配信する人も増えていく可能性は十分にあるでしょう。
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NFTに参入してビジネスチャンスを活かしている国内企業
ここでは、実際にNFT事業に参加してビジネスチャンスを得ている企業を紹介します。
知名度の高い大企業も続々とNFTに参加しているのです。
①テレビ朝日
テレビ朝日はご存じのとおり日本のテレビ局です。
テレビ局は、ドキュメンタリー・ドラマ・アニメなどNFTを付与すれば価値が出る知的財産を多数保有しています。
テレビ朝日は連結子会社であるテレビ朝日メディアプレックスと協力し、「東映ロボットアニメ」NFTトレーディングカードを作成・販売しました。
5枚のNFTカードがセットになっており、価格は1組あたり税込3,850円です。
取引にはLINEと連動したLINE BITMAX Walletでも可能です。
アニメの印象的なシーンなども付随しているので、オールドファンの人気も上々で、二次取引もできます。
関連記事:テレビ朝日がNFT事業に進出!東映ロボットアニメのトレーディングカード販売へ
②株式会社ドキドキ
株式会社ドキドキでは、拡張現実と仮想現実を音声などで結びつけた「オーディオメタバース」空間で生きていく「Crypto Fuzzy」というモンスターを創造しました。
「Crypto Fuzzy」の個体数は1,000体で、それぞれが異なる鳴き声や外観を持ちます。
株式会社ドキドキが開発したオーディオメタバースアプリ「cubemint」内で生息し、ペットのように飼育することも可能です。
新しい電子ペットの誕生に、他の企業も注目しています。
関連記事:世界初のオーディオメタバースに対応したNFTモンスター1000体が発売開始
③鮨 渡利
銀座に店を構え、店舗と出張で高級寿司を提供する「鮨 渡利」は2022年の正月に世界初となるNFT化した電子マグロを競りに出しました。
初競りの模様はYouTubeなどの動画サイトでも配信され、大いに話題となりました。
電子マグロには寿司食べ放題などさまざまな特典が付随しており、最終的に80万円で落札されました。
【速報】
2022年初競りの電子マグロ、3000maticで落札されました! pic.twitter.com/5AyrqiBmT5— 銀座渡利 (@ginzawatari) January 15, 2022
宣伝効果も高かったということです。
関連記事:NFT化した電子マグロの初競りオークションがメタバース空間で開催される
④GMOアダム株式会社
GMOアダム株式会社では、音楽や映像・漫画などをNFTを付与して売買することのできるNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」を運営しています。
YouTuberのヒカルさんなど、知名度の高い人物も自身の動画や音楽を出品しており、すでに1,000点を超える作品が出品中です。
また、坂本龍一さんの名曲戦場のメリークリスマスも販売されています。
日本の企業が運営しているので、日本人に人気のある作品が多く、日本語にも対応しています。
Adam byGMOについて詳しく知りたい人は「Adam byGMO(アダム)とは? 販売商品・登録方法を画像で解説」をご覧ください。
⑤ワントゥーテン株式会社
京都で起業したワントゥーテン株式会社はプラットフォームサイト、「ワントゥーテン NFT STORE」を運営しています。
歌舞伎役者の市川海老蔵さんが自分が出演した歌舞伎の映像をNFTアートとして出品したことで話題になりました。
一般的な画像はもちろんのこと、3Dで映像を楽しめるVR版も出品されています。
新しい歌舞伎の楽しみ方ができるのはもちろんのこと、これからも3Dで楽しめる映像が続々と出品される可能性もあります。
関連記事:歌舞伎俳優の市川海老蔵が初のNFT作品をオークション販売
NFTに参入してビジネスチャンスを活かしている海外企業
海外の企業でNFTに参入したところを紹介します。
海外でも知名度の高い大企業が参入して利益を上げています。
①Adidas(アディダス)
世界で最も知名度があるスポーツブランドAdidasは、自社ブランドの洋服をNFTアート化してメタバース内で販売しています。
購入できるのは、ゲームメタバースの「The Sandbox」です。
仮想通貨でアディダスの服を購入し、自分のアバターに着せることができます。
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②Samsung(サムスン)
韓国を代表する企業、サムスンは、VRプラットフォームDecentraland(ディセラランド)内で土地を購入し、バーチャルストアをオープンしました。
今、次世代のビジネスチャンスとしてメタバースが注目されていますが、サムスンのバーチャルストア開店はそれを見越してのことでしょう。
関連記事:サムスンがディセントラランドで土地を購入しバーチャルストアをオープン
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③Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)
Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)は、2021年9月に初のNFTコレクションとなる「Collezione Genesi」を発表しました。
売上は好調で、570万ドル(約6億3000万円)を売り上げたということです。
なお、落札者にはNFTだけでなく本当のスーツなども贈られています。
Dolce&Gabbanaの成功は、他の高級ブランドのNFTコレクション参加の呼び水になると予想されています。
④ユニバーサル・ミュージック・グループ
ユニバーサル・ミュージック・グループは、NFTで構成された音楽グループKINGSHIP(キングシップ)を立ち上げています。
メンバーはデジタルで作成された4匹の猿です。将来的には、楽曲やPVをNFTで販売する計画があります。
今後の動向が注目されるプロジェクトです。
関連記事:ユニバーサル・ミュージックがNFTバンドの立ち上げを発表
⑤ディズニー
ディズニーは、NFTプラットフォームのVeVeと提携し、「Golden Moments」というNFTを販売する予定です。
本プロジェクトは映像配信サイトディズニー+のプロモーションの一環として行われており、NFTを購入することでディズニー+が3か月間無料になる特典がついています。
ただし、日本は無料対象国には入っていないので注意しましょう。
関連記事:NFTプラットフォームのVeVeがディズニーのNFT販売を発表
まとめ:NFTはさまざまなビジネスモデルに応用できる
NFTは絵画や音楽といったアート作品だけでなく、ファッションやゲームなどさまざまなビジネスに展開が可能なシステムです。
メタバースと同様、発展が期待できるビジネスモデルとして、今後も国内、海外と多くの企業が参入することでしょう。
消費者としても利用できるサービスが増えるのは嬉しいことです。
自分もNFTビジネスに参加してみたいという方は、まずNFTの購入や作成からはじめてみてはいかがでしょうか。
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