簡単にNFTが販売できるShopifyとは?特徴や販売方法6ステップを解説
NFT初心者向け公開日 : 2022年02月07日 | [更新日] 2024年11月01日
大手ECサイトのshopifyでは、簡単にNFTを購入できることをご存じでしょうか。
通常NFTを購入するには、暗号資産取引所の口座を開設したり、暗号資産を購入したりする必要があります。一つひとつの手順はすべて難しく、最初の段階でつまづく初心者が後を絶ちません。
アメリカでAmazonに次いで利用されている大手ECサイトShopifyでは、これらの手順をすべて無視して簡単にNFTを購入できます。必要な手順は、クレジットカードを登録するだけです。
今回は、ShopifyでNFTを販売する方法や買う方法を紹介していきます。まずはそもそもNFTとは、Shopifyとは何なのかを確認してみましょう。
- Shopifyは簡単にネットショップを開設できるプラットフォーム
- Shopifyはクレジットカードで販売できる
- ShopifyはアプリでNFTを作成・販売できる
- Shopifyで簡単にNFT作品を販売できる
目次
そもそもNFTとは
NFTとは、Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)の略称で、意味は「代替不可能なトークン」です。
ブロックチェーン技術によって、唯一無二であると証明されたデジタルデータを指します。すべての取引がブロックチェーンに記録されているため、偽造や改ざんが非常に難しく、データの所有の証明が可能です。
これにより、ユーザーは画像・動画・音声・デジタルアートなどを売ったり買ったりできるようになりました。
NFTを取り巻く環境として、世界におけるNFTの市場規模は年々上がり続けています。2022年の30億ドル(約4,196億円)が、2027年には136億ドル(約1兆8,782億円)にも達する見通しです。
NFTが販売できるShopifyとは
Shopifyとは、誰でも簡単にネットショップを開設できるプラットフォームです。2006年にカナダから始まり、2023年現在では世界175ヶ国以上・170万以上の店舗に利用されています。
SNSや外部サービスとの連携が、豊富に用意されている点が特徴です。日本を含む多様な言語・通貨に対応しており、海外への発送も簡単にできます。
さらに、オンラインサイトも実店舗もひとつで管理できるところは、ユーザーに重宝されているポイントです。
Shopifyが提供するNFT販売サービスの特徴3選
Shopifyとは、ECサイトの開発・運営を助けるプラットフォームです。175の国で利用されており、100万店以上に導入されています。
Syopifyでアカウント作成とベーシックプランの月額29ドル(約3,300円)を支払うだけで、ECサイトを作成できる気軽さが特徴です。
ECサイト向けのサービスを行っているShopifyが、ECサイトでNFT作品を販売する独自サービスのβ版を公開しました。
SyopifyのNFT販売サービスの特徴は下記3つです。
- ブランディングしたECサイトでNFTを販売できる
- クレジットカードでの販売に対応
- アプリでNFTを作成・販売できる
一般的なNFT作品の販売方法を知りたい方は「OpenSeaは儲かる?NFTの購入・販売の売買方法を丁寧に解説」をあわせてご覧ください。
ブランディングしたECサイトでNFTを販売できる
SyopifyのNFT販売サービスは、ブランディングしたECサイトでNFTを販売できます。
従来では、OpenSeaやRaribleといった「マーケットプレイス」と呼ばれるプラットフォームに、NFT作品の登録・販売が一般的です。
構造上はECモールと同じなため、用意されたプラットフォーム上でNFT作品のやり取りを行います。
そのため、競合他社との差別化が難しく作品のブランディングがうまくいかないなど、販売戦略における不自由さがありました。一方、ShopifyのNFT作品販売サービスでは、自身のECサイトでNFTを販売できます。
作成したNFT作品のコンセプトやテーマにあわせて販売ページの変更が可能なため、販売ページに訪れたユーザーへNFT作品の世界観を伝えやすいメリットがあります。
従来の販売方法では、作品のみで競合他社との販売競争に勝つしかありませんでしたが、ShopifyのNFT販売サービスによって、ブランド化されたNFT作品が販売できると見込まれています。
クレジットカードでの販売に対応している
ShopifyのNFT販売サービスを利用したNFT作品は、クレジットカードでの購入が可能です。
NFT作品は、基本的に仮想通貨のみで販売されており、消費者がNFT作品を購入するためには、仮想通貨を保有している必要があります。
クレジットカードの対応により、暗号通貨に精通していない消費者もNFT作品を購入できるきっかけになり、気になっている作品を購入するために仮想通貨を扱う必要がなくなります。
同時に、ShopifyのNFT販売サービスは、対応している仮想通貨は300種類を超えており、MetaMaskなどの登録も必要ありません。
MetaMaskについて知りたい方は「MetaMaskとは?MetaMaskの作り方・入金・出金方法などを紹介」をご覧ください。
アプリでNFTを作成・販売できる
2022年にShopifyがリリースした無料のアプリ「NFTeapot」を使えば、簡単にNFTを取引できます。
これまでNFTを購入するには暗号資産を購入し、ウォレットを作り、OpenSeaのアカウントを作るなどの手順が必要でした。そのため、初心者が最初の過程でつまづき、詐欺に遭うなどの被害があったのも事実です。
NFTeapotなら、たとえブロックチェーンの専門知識がなかったり暗号資産を持っていなかったりしても問題ありません。クレジットカードで決済できるため、暗号資産の購入やウォレット作成の過程を無視できます。
アプリで手軽にNFTを作成・販売できるため参入障壁が低く、より多くの方がNFTの販売に挑戦できます。
開発したのは日本のブロックチェーンソフトウェア企業であるCurvegridで、アプリは日本人にとって扱いやすい設計になっているのもうれしいポイントです。
ShopifyでNFT作品を販売する6ステップ
ShopifyでNFT作品を販売する方法は下記6ステップで行います。
- アメリカを拠点にしたECストアを用意する
- Shopify Plusに加入する
- ShopifyのNFTベータプログラムへ参加申請を行う
- クレジットカード決済サービスを選択する
- 仮想通貨で購入できる代替決済方法を選択する
- NFT作品を作成し、販売を行う
1:アメリカを拠点にしたECストアを用意する
本記事では、一例としてアメリカを拠点にしたECストアを開設する方法を紹介します。
詳しくは後述しますが、Shopifyのベータプログラムに参加申請を行い、承認してもらう必要があるため、アメリカに法人の設立を行っておくと安心できるでしょう。
アメリカに法人設立を行う方法は下記表を参考にしてください。
法人設立までの流れ | 所要日数 |
進出形態の選定 | 1日 |
法人設立地域の選定 | 1日 |
会社名の決定 | 1~3日 |
定款の登録 | 2~7日 |
第一回取締役会の開催&取締役選任 | 1日 |
連邦雇用者番号の取得 | 6~10日 |
ビジネスライセンスの取得 | 6~10日 |
年次報告申請 | 30~90日 |
株式の発行 | 1~2日 |
州雇用者番号の取得 | 1~3日 |
BE-13関連の書類を提出 | 1日 |
書類に住所などの記入が必要なため、必要に応じて通訳を雇ったり物件を借りたりし、正確に記入を行いましょう。また、代行業者や法律事務所などの力を借りてもよいです。
その後は、Shopifyのサービスを利用してECサイトを作成しましょう。
2:Shopify Plusに加入する
ShopifyのNFT販売サービスを利用するには、Shopify Plusへの加入(アップグレード)が必須です。
Shopify Plus公式サイトから、「Start upgrading in minutes. It’s time to grow.」と書かれた見出し下部の青いボタンをクリックし、確認画面で承認を行うと数分でアップグレードできます。
注意点として、Shopifyのベーシックプランの利用料金が月額29ドルに対し、Shopify Plusの利用料金が月額2,000ドルかかることは覚えておきましょう。
3:ShopifyのNFTベータプログラムへ参加申請を行う
Shopify Plusの加入が完了した後、ShopifyのNFTベータプログラムにて参加申請を行います。
参加申請を行う方法は、ShopifyNFTベータプログラムの申し込み画面から、「Apply now」のボタンをクリック、その後表示されるリクエストフォームの記入を行うと申請が送付できます。
申請が受理されるとNFT作品を販売できるようになるため、記入事項に間違いがないか慎重に行いましょう。
4:クレジットカード決済サービスを選択する
ShopifyのNFTベータプログラムに申請が受理された後、クレジットカード決済サービスを選択します。
クレジットカード決済サービスを行うには、Shopifyペイメントを活用しましょう。
Shopifyペイメントの設定は、以下6ステップで行えます。
- 管理画面から、[設定] > [決済] > [支払いを表示する] と遷移します。
- [取引を表示する] をクリックします。
- [エクスポート] をクリックします。
- エクスポートを希望する取引範囲とCSVファイルの種類を選択し、[残高の取引をエクスポートする] をクリックします。
- 管理画面に戻り、[設定] > [決済] に移動します。
- Shopify ペイメントセクションで [アカウントの設定を完了する] をクリックします。
5:仮想通貨で購入できる代替決済方法を選択する
決済サービスの代替決済方法を選択すると、仮想通貨で購入できます。
選択方法は下記5ステップです。
- 管理画面から、[設定] > [決済] に移動します。
- 代替決済手段セクションで、[代替決済手段を選択する] をクリックします。
- リストの「Coinbase Commerce」「Bitpay」「CoinPayments」から1つ以上選択します。
- 選択した決済サービスのアカウント資格情報を入力します。
- [有効化する] をクリックして、決済サービスの利用を有効にします。
6:NFT作品を作成し、販売を行う
代替決済の設定後は、通常のECサイトと同様に販売を行いましょう。
販売する商品の登録やコンセプトにあわせて、自由にECサイトの改築を行い、商品のブランド化を進めましょう。
2023年1月現在では、ECサイトによるNFT作品の販売事例がほとんどないため、競合他社が少ない新規分野で伸びしろがあります。
インターネットで行える広告(リスティング広告・ディスプレイ広告)やSNSで行える広告など、デジタル広告を有効に活用し、プロモーション活動を通じて消費者の認知を広げていきましょう。
Shopifyで販売するNFTアート作品の作り方
Shopifyで販売するNFTアート作品の作り方は以下の2ステップです。
- Shopify Plusで代替決済方法が使えるECサイトを用意する
- 決済方法を仮想通貨にして、NFTアート作品を出品する
Shopify Plusで代替決済方法が使えるECサイトを用意する
NFT作品は、デジタルデータをブロックチェーン上に投下することでできます。
ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持する技術です。
Shopify Plusで代替決済方法を使えるECサイトの用意が、NFTアート作品をブロックチェーン上に投下する準備になります。
マーケットプレイスでのNFTアートの作り方は「【超入門】NFTアートの作り方!クリプトアート作品を作成しよう」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
決済方法を仮想通貨にして、アート作品を出品する
決済方法を仮想通貨にしてアート作品(デジタルデータ)を出品すると、ブロックチェーン上にデジタルデータが投下され、NFT化されます。
前提条件として、仮想通貨はブロックチェーン技術を利用しているだけであり、仮想通貨そのものはブロックチェーンではありません。
そのため、仮想通貨で購入されたデジタルデータがNFT化されるわけではないことを覚えておきましょう。
従来のマーケットプレイスでは、マーケットプレイスそのものがブロックチェーン上に存在しているため、出品した作品がNFT作品として扱われています。
ShopifyでのNFT販売に関するよくある質問
Shopifyでは、簡単にNFTを販売可能です。しかし、ShopifyでNFTの販売を行うとき、以下2点のような質問をよく目にします。
- NFTマーケットプレイスではなくShopifyを使うメリットは?
- トークンゲートコマースとは?
NFTマーケットプレイスではなくShopifyを使うメリットは?
仮想通貨を購入せずとも、NFTを購入できる点は大きなメリットです。通常、NFTを購入するためには、まず仮想通貨を購入する必要があります。ウォレットの作成・暗号資産取引所の口座開設・ウォレットの紐づけなど、面倒な手順を踏まなければいけません。
一方で、Shopifyなら通常のオンラインショッピングと同じように、クレジットカードを登録するだけでNFT作品を購入できます。NFT初心者で、とりあえず触れてみたい方にはおすすめです。
トークンゲートコマースとは?
トークンゲートコマースとは、NFTホルダーにのみ特典・特権を与える機能のことです。販売元がNFTのホルダーを対象に割引を付与したり、限定商品を提供したりして、ブランドとホルダーのつながりを深めます。
他のブランドと提携すれば、自社ブランドのNFTホルダーには他ブランドの特典が付くなどの使い方で、潜在的なオーディエンスの拡大を測れます。
トークンゲートコマース機能は、通常のNFTだと自らブロックチェーンをいじらなければなりません。専門的な知識が必要なため簡単にできる人は多くありませんが、Shopifyなら誰でもできます。
まとめ:Shopifyを使えば簡単にNFT作品が販売できる
Shopifyを使えば、専門知識がなくても誰でも簡単にNFTを販売できます。ブランディングしたサイトでNFTを販売できるだけでなく、暗号資産を準備しなくて良いなど、初心者に優しい設計です。スマホ世代なら、すぐに慣れてしまうでしょう。
ただし、ショップを開設するには、アメリカを拠点にしたECストアを用意しなければならない点は注意です。他にも、Shopify Plusに加入する必要があるなど、いくつかの注意点があります。本記事を参考に注意点を意識しながら、Shopifyを利用してみましょう。
NFTマーケットプレイスに関しては、「【保存版】NFTマーケットプレイスとは?国内・海外のおすすめ14選を比較」で詳しく解説しています。
また、「NFT-Now」では、NFTに関する情報を分かりやすく発信しております。ぜひ他の記事もチェックしてみてください。
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NFT Now編集担当者です。誰でも簡単にNFTが売れる・買えるようにするために、どこよりもわかりやすい情報発信をしています。