物理かデジタルか?アーティストDamien Hirst氏がNFTで実験
NFTニュース公開日 : 2022年08月07日 | [更新日] 2024年12月01日
イギリスのアーティストDamien Hirst氏は、人々が物理的なアートとデジタルアートのどちらを好むのかを検証する実験を行いました。
約1万枚のアートで実験
Damien Hirst氏は、「The Currency」というシリーズで、紙に描いた小さな(レターサイズの)絵を1万枚作り、その絵の1枚1枚に対応する1万枚のNFTを鋳造、そのうち9000枚を1枚2000ドルで販売しました。
販売から1年後にDamien Hirst氏は、NFTの所有者にそのNFTをバーン(破棄)して現物のアートと交換するか、NFTを保持して、それに紐づく現物のアートワーク(所有しているのはHirst氏)を燃やすかの選択を迫りました。
リアルアートの選択のほうがやや優勢
NFT所有者に迫った選択の結果、9,000枚のNFTのうち、現在残っているのは3,851枚だけとなりました。
残りのNFTはバーンされ、実物のアートと交換されました。
割合でいうと57%対43%で、リアルアートを選択した人のほうが多いという結果です。
結果の数字だけで見ると、ほぼイーブンのように見えますが、これはとても大きな意味を持ちます。
NFTは物理的な作品よりもはるかに売りやすく、また、過去1年間に暗号市場全体の価値が下がったとはいえ、このNFTは当初の販売価格2,000ドルよりもはるかに高い価値があります。
つまり、市場的価値だけでいえば、実物の絵画よりもNFTの方が価値が高いはずなのです。
今回の結果を受けてDamien Hirst氏は「その価値にかかわらず自分が所有したいほうを選ぶ」ということになったのではないかと推測しています。
投機目的なイメージが強いNFTですが、その購入者らはしっかりアートとしても価値も踏まえた上で作品を買っているようです。
参考:Digital or physical art? Artist Damien Hirst experiments with NFTs
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NFT Now編集担当者です。誰でも簡単にNFTが売れる・買えるようにするために、どこよりもわかりやすい情報発信をしています。