NFTアートで33万ドルの詐欺被害が発生したが、異例の返金が成立!?
NFTニュース公開日 : 2021年09月16日 | [更新日] 2024年12月01日
NFTアートで33万ドルの詐欺被害が発生したが、異例の返金が成立!?
昨今、あらゆるNFTアートの販売が活発になっています。
しかし、NFTの取引が活発になるのと並行してNFTを利用した詐欺行為も数多く発生しています。
英国ではバンクシーの偽アートのNFTを33万6千ドルで売りつけるという詐欺事件が起こりました。
この詐欺事件は、手口の巧妙さもさることながら、ハッカー側が異例の返金対応を行ったこともあり、注目を集めています。
巧妙な詐欺の手口
被害者である男性はある日、バンクシーがNFTアートを出品したとの書き込みをDiscordで見つけます。
書き込みには、バンクシー公式サイトのドメイン(banksy.co.uk)でNFTアートのURLが掲載されていました。
URLを踏むと、NFTアートの画像と大手NFTマーケットプレイス”OpenSea”のオークション画面へのリンクが表示されました。
書き込みに何の疑いも持たなかった男性は、OpenSeaで該当のNFTを33万6000ドルで落札。
しかし落札後に、バンクシー公式サイトにあったはずのNFTアートのページを確認すると、ページは削除されていました。
バンクシー側はBBCの取材に対して「いかなる形であれ、バンクシー作品のNFTオークションとバンクシーは一切無関係である」と説明しております。
バンクシー側の説明により、Discordに書き込まれたNFTのページはWebサイトをハッキングして作成されたフェイクページで、偽NFTを買わせるための巧妙な詐欺であることが判明しました。
黒幕は誰?
被害者はまんまと33万6000ドル(約3750万円)を騙し取られたかにみえました。
しかしその後、騙し取られたお金は、なんと手数料を除いて全額返金されたのです。
被害にあった本人は、返金された理由について「このハッキング事件についての報道がされた事と、自分がハッカーのTwitterアカウントを特定してフォローした事が、犯人に対するプレッシャーとなり返金に結びついたのではないか」と推測しています。
また、彼はハッカーから返金があった日の朝に、Discordのコミュニティに匿名の人物からNFTオークションの危険性を知らせる書き込みがあったことを明かしました。
彼の推測によると「この警告を行なった人物とハッカーは、同一人物だったのではないかと思う」とのことです。
もしそうであれば、ハッカーの目的は詐欺行為ではなく、NFTオークションの危険性を知らせることだったと考えることもできます。
目的がNFTオークションの警告にあったとすれば、そもそもこの事件自体がハッカーの仕業ではなく、バンクシー側が仕掛けたキャンペーンだった、という可能性もあるかもしれません。
NFT市場の課題
この件についてのハッカーの意図はともかくとして、NFTの返金が成立したこの事件は、非常に稀な事件です。
ブロックチェーンでの取引はその仕組み上、一度決済が完了してしまえば基本的には不可逆で、元に戻したり、変更することは困難です。
これ以外にもNFTを巡っては、セルビア人のアーティスト「ミロス・ラジコビッチ氏」のデジタル作品が無断でNFT化されてOpenSeaで取引されるなど、詐欺や盗難の被害が相次いでいます。
こうした偽造NFTや盗難NFTへの対策は、今後のNFT市場活性化への課題といえるでしょう。
WRITER
NFT Now編集担当者です。誰でも簡単にNFTが売れる・買えるようにするために、どこよりもわかりやすい情報発信をしています。