ニセモノでも売れてしまう?贋作画家のNFT販売が論争を巻き起こす
NFTニュース公開日 : 2021年10月14日 | [更新日] 2024年11月01日
ニセモノの名画でもNFTが付与されることによって、高値で取引される事例が物議を醸しています。
ドイツの贋作画家であるウォルフガング・ベルトラッチが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」をモチーフにしたNFTを市場に出しました。
ベルトラッチはアートの世界では悪名高く、「超一級のニセモノ」としてNHKのドキュメンタリーでも特集されるほどの人物です。
現代アートの贋作を40年以上書き続けており、2011年には有名な絵画14作品を偽造した罪で実刑判決も受けています。
逮捕され、美術館やギャラリーでの展示や販売が禁止されたベルトリッチが新たに活路を見出したのは、NFTの世界でした。
美術史や絵画理論、そして高い技術を持ち合わせたベルトリッチは、単なるコピーではなく本人が描いたに違いないと思わせるような作品を生み出す手法を得意としています。
そんなベルトラッチのスタイルとNFTはすごく相性が良いのです。
「NFT市場は、アーティストが独立して自分自身を売り出すためのプラットフォームを提供し、伝統的なアート市場のメカニズムから解放してくれる」と、ベルトラッチは声明を発表しています。
自身のWebサイトで実に4,608点ものNFTアートを販売していて、莫大な利益を上げるであろうことが予想されています。
ニセモノだとしても売れてしまうNFTバブル
もともとレオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」は、ホントにダ・ヴィンチ自身が描いた作品であるのか怪しいと言われています。
専門家たちも証明するのに四苦八苦しているのです。
にもかかわらず、オークションでは約510億円という金額でサウジアラビアのサルマン皇太子に落札されました。
そしてベルトラッチのNFTアートも「ニセモノ」でありながら高値で取引されています。
両者とも、本物であるという保証がなくても高値で取引されるという共通点を持っています。
その作品に本当に価値があるのか?ということお構いなしに、コレクター達が高値で取引している現状はまさにNFTバブルといってよく、今後の動向を見守っていく必要があるでしょう。
参考:ニューズウィーク日本版 ”世界で最も価値のある絵画を悪名高い贋作作家がNFTで販売 バブルに対し専門家は辛辣なコメント”
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NFT Now編集担当者です。誰でも簡単にNFTが売れる・買えるようにするために、どこよりもわかりやすい情報発信をしています。