AppleがアプリでのNFT販売を許可

公開日 : 2022年09月27日 | [更新日] 2024年11月01日

AppleアプリでのNFT販売を許可するも30%の手数料を適用へ

Appleは、Apple App Storeで利用できるNFTベースのアプリを導入します。しかし、Appleはすべての取引に30％の取引手数料を設定しており、多くのNFT企業がこの仕組みは不当であり、ストアでの存在価値を認められないと主張しています。

なぜこのようなことが起こっているのか、そして今後どのようなことが予想されるのかを解説していきます。

App Storeの対応について

The InformationのAidan Ryan氏が最初に発表したレポートによると、Appleはスタートアップ企業に対し、NFTはAppleのApp Storeでの販売は許可されています。しかし、すべてのNFT販売はアプリ内購入を通じて行う必要があり、Appleの法外な手数料の対象だと伝えています。Ryan氏が指摘しているように、初期のプロジェクトやプラットフォームは、30%の手数料を避けるためにアプリ内の機能を制限せざるを得なくなりました。

Apple has told startups it must sell NFTs through in-app purchases, forcing many startups to limit functionality in apps to dodge fees up to 30% of the transaction, even when the startups are only facilitating the trades. My latest for @theinformation https://t.co/2pKamhLmCp
— Aidan Ryan (@aidanfitzryan) September 23, 2022

技術特許ブロガーのFOSS Patentsは、開発者が実際に負担する費用は、App Storeに言及する際にしばしば引用される30%の手数料を上回ることがあると指摘しています。さらに、特定の地域では検索広告のためにおよそ35％もの手数料が強いられることがあると論じています。The Informationの創設者であるJessica Lessin氏は、Appleの手数料が大きな批判を受ける中、FOSSと同じような感想を述べています。「新しい経済において、App Storeを経由していない分野があるのでしょうか？」

アップル（AAPL）の過去1ヶ月の値動きは、ほぼ市場全体と同程度でした。

料金に関する議論

Epic GamesのCEOを務めるTim Sweeney氏がツイートでこの件に関する考えを述べ、App Storeの仕組みを「グロテスクなほど高価なアプリ内決済サービス」と表現しました。Sweeney氏は、Epicが前述の料金体系を回避しようとした結果、同社の主力タイトル「Fortnite」がApp Storeから削除されるなど、App Storeの手数料を巡る対立を多く抱えてきました。Sweeney氏は以前から、Appleの手数料率は開発者に優しくなく、業界の成長のためにほとんど利益を残せないと主張しています。

Sweeney氏は以前、NFTについて中立的な立場をとっていました。しかしその後、Epicは（NFTが含まれるかどうかにかかわらず）開発者優先の姿勢を続けています。他の批評家は、Appleのこのスタンスは、今後登場する暗号ネイティブの競合他社、例えば、現在進行中と推測される「Solana mobile」プロジェクトなどにとって良い結果をもたらすと主張しています。

企業がNFTに参入するに関しては「NFTのビジネスモデル例5選｜企業が続々と参入する理由とは」で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。